79.適当な修理入門 2  修理の流れ 2004.08.11 

はじめに

修理と聞くと何を思い浮かべますか?
宗一郎氏のように、傷だらけの左手?機械でも解らないような変化を感じる職人芸?
今回は、修理のアプローチについて述べてみます。(なんか偉そう(笑))
ちなみに、ほぼ現場での独学でやっているので、正統派の修理とは、かけ離れています。一度勉強してみるのもいいかな・・・。

修理のどこが難しいか

修理の行程は、主に二つに分けられます
1.原因を発見すること
2.原因を修正すること

で、どちらが重要でしょうか?
普通の人は、2番の「原因を修正すること」が主だと考えます
個人的には、「発見」が9割で、「修正作業」は残り1割です。
結局、不良の原因を見つけることが、いかに難しく、コストがかかるかということです
普通の人は、ソレはわからないでしょう

 

測定の重要さ

まず、測定できるかどうかなんです。
普通の人は、ある場所の状態が正しいのか、調子が悪いのか判断できません。
動作原理である程度まで絞り込めます。残念ながら、いろいろな事情でそこから先に進めなくなるのです。

例えば、走ってアクセルを開けたときに変な音がしてくる。
原因をつかむのは簡単です。走っている状態にして音が出る状態を再現します。
その音がどこから出ているかセンサーなどで調べコンピューターで解析したらいいだけです。

でも、それは、現実的に出来ません。
テスト出来る環境なんてありませんし、複数の音センサーから音の発生源を解析するシステムなんて普通ありません(HONDAにはあるかもしれませんが・・・)
最後の手段として、フロント周りから音が出てくるようだから、フロント分解してみましょう。ってなことになります。

ただし、お客さんは、不良部品の交換代金しか払いたくありません。点検費用の総額を払っていたら、凄い金額になります。 修理屋もお金がもらえない仕事をやりません。原因追求やっても儲からないのです。
その辺のズレが、お客さんと修理屋にあります。どちらかが泣くしかありません。(泣いてくれる修理屋さんは大事にしましょう)

仮に、測定してわかることだったらどうでしょうか?
ランプが点灯しないなどであれば、テスターで測定してたどって行けば、原因がつかめます。
こういうのは、やりやすい仕事です。原因さえわかれば、次のステップに進めます。

難しい修理というのは、原因を限定できないことです。測定してもわからないことなんです。


経験に注意!

経験豊富な人は、 コレまでのトラブルが大体解っています。
経験から、この音がしたらこいつが悪かったんだ。と、近道して答えが出ます。凄く効率がいい。すばらしいです。
経験は、本当に強力な手法です。

そこにベテランならではの落とし穴があります。
ココが悪いと思い込みます。交換してみたが、どうも違う・・・。
途中の原因限定をしていないため、ワナにはまり込んでしまいます。
まあ、本当のベテランなら、ここで一度頭をリセット。基本からチェックを開始します。 出来ない人もいるので要注意です。(と書いても仕方が無いですけど)


やっぱり証拠

ある程度の経験がある方なら、多少違う機械でも簡単に治るか治らないかすぐにわかります。
原因がわからないと、すっきり直すのが難しいのです。

原因を発見すること。
原因を断定できる方法があること。
これが、重要なことです。
修理というと、器用な手つきを連想されるとおもいます。実際は違います
原因を発見できる道具、原因を特定できる情報・・・・これを用意していること自体がが技量の一つだと思います。

ちなみに、私は、用意していませんので三流です(笑)

 

難しい修理

とにかく難しい修理は、原因が特定できないことです。
バイクで例をあげると、バッテリーが短期間でおしゃかになる。等があります。
他のパーツを壊していく場合、本当に修理が難しくなります。

悪い修理屋の例としては、原因を追求せず、バッテリーの寿命ですからバッテリー交換しましょう。となります。
で、バッテリー壊れます(笑)
この次々壊していくパターンは、本当に最悪であり、修理が難しいのです。
本当に原因を突き止める必要があります。で、現実的に突き止められない。
最後の手段として、理論上で浮かびあがってくる部品を一式交換するしかありません。

ウチの業界では、かかった費用全部請求できません。途中で壊した部品は請求できません。
修理代、一見、高額な手数料に見えますが、実際には請け負うリスクが大きく儲からないのです。ぜーんぶ請求できるなら、いいのですけど・・・。そんな業界がうらやましいです

 

飛行機

飛行機などでは、徹底しているようです。
すべてのパーツをコンピューター管理、寿命データーを集め、壊れる前にぜーんぶ取り替えてしまうらしいです。
そう、究極のメンテナンスは、壊れる(劣化する)可能性がある奴を全部取り替える
なんです。
どの部品が、どの程度で壊れるかという情報は、本当に重要になります。
このホームページでメンテに参考になるのは、何キロぐらいでどんなトラブルが出て、どこが壊れたという情報です。
究極は、こなれた機械を購入し壊れる前に買い換えるです。
トラブルがいやならば、間違っても新型機なんて買ってはダメです。

修理屋の見分け方
いろんな探偵がいるように、いろんなタイプの人がいます。

原因をはっきりさせていくタイプなら、優秀な人かと思います。
まあ、ふつうは曖昧にごまかします。普通の人はそうなのであまり突っ込まないであげてください(笑)
やはり、現実的な面で限界があるのです。

専門の人は強い。
専門でなくても、専門の人にパイプがあると強い。
個人には限界があります。個人にそんなに能力が無くても、能力がある人とうまくつながっている人は、いいです。これはこれで、個人が技量を持つよりは、非常に難しいことだったりします。まあ、このことは外見から解りませんので、アドバイスにはなりませんね。

最後は、お客さんを考えてくれる人.ですね。
商売の基本というか、人間の基本です。
ダメならダメなりに、商売抜きで一番いい方法を提案してくれる人、そんな人はいい人なので、大事にしましょう。まあ、最低限の腕がないとダメですけど(笑)


うまく修理してもらう方法

いい修理屋さんは、うまくお客さんから情報を聞き出します。少しでも情報があると修理しやすいですから。
刑事コロンボのように、何度も聞いてなんとか有用な情報を聞き出す方もいます。
「 ちょっと待ってください、貴方は以前、こういってませんでしたか?」とは言いませんが・・(笑)

冗談抜きで、ちょっとしたヒントが解決につながる場合があります。
特に、込み入った症状の場合は、バイク屋に行く前に紙にまとめてやると、いいかと思います。

1.どんな症状で困っていいるか?
2、どんな条件で発生するか?
3.どれだけの頻度で発生するか?
4.自分が試してみてダメだったこと。(勿論、修理屋がもう一度試すと思いますが)
5.その他気になる点 先日、変な音がした等。

 

好きな修理方法

修理を例えると、町に逃げ込んだ犯人を探すのに似ています。
目的は、犯罪を起こさせなければいいのです。

一つの方法が、自分が探偵になること。
髪の毛、指紋、アリバイなどから、ジンワリジンワリと追い込んでいきます。
裁判所で追い込むのです。
醍醐味ですね
これ、迷宮化する場合もあります。探している間に、何人か殺されるかもしれません

もう一つの方法が、アメリカ式
とある町に犯人がいると判明したら、そこに爆弾を落として焼け野原にします
犯罪は起きません。簡単です。わかりやすい(笑)
で、起きる場合があるんです。
実は、司令部に犯人がいたなんてオチ。

本当に、難しいです。
一番確実なのは、原因を追求することです。

 

チューニング
話がそれます
チューニング関係、半ば迷信的な話が多いですネ。オイルとか、電気系とか・・・。
まあ、多少のお金で幸せになれるなら良いかと思います。
「やさしく幸せにだまして」というところでしょうか・・・
幸せをお金で買えるならこんなに安いことはありません。

ただ、修理の仕事をしている以上、実際に効果があるかどうかってのを重視してしまいます(笑)
効果を確かめられない=役に立たない 。
夢を壊すつもりはありませんが、現実的に役に立つかどうか、はっきり見極めて楽しんで欲しいかなと
夢を買うのか、実益を買うのか・・・
はまっていたこともあるので、偉そうなことはいえませんが・・・
特にビンボーな人は、冷静になってください

それでは、良いバイクライフを!

 

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